真夜中の恋人
「皆が噂してた、高谷さんが連れている女の子は、何処のお店の子だろうって。意味わかる?」
「え?」
「誰も美奈を高谷さんの恋人とは思っていない。つまり遊びの相手と思われてるって事」
遊びの相手、それは間違いじゃない。
でも、本当はもっと悪い。お金を貰って抱かれている関係だもの。
「……わたしは高谷さんの恋人じゃないよ。今日はただ、一緒に来てくれって頼まれただけで」
「そう」
姉は小さくため息をつくと、わたしを真っ直ぐに見詰めた。
そして、ゆっくりと言葉を吐き出す。
「高谷さんには、近付かないで」
「……お姉ちゃん?」
「わたしの大切な人を二度も奪わないで」
姉はそれだけ言うと、何事も無かったように、足早にわたしの元から立ち去った。