真夜中の恋人
間近で見る姉は、息を呑むほど美しかった。
色白の肌に薄い唇、頬には薄っすら赤みが差し、長身でスレンダーの身体はモデルのようだ。
その姉が、あの時と同じ侮蔑の表情を浮かべて、わたしを見下ろしている。
「こんなところで逢うなんてね。美奈は高谷さんと一緒に来てるの?」
姉の『高谷さん』と呼ぶ声のトーンで、ようやくタカヤとは苗字なのだと知った。
「う、うん。高谷さんと一緒に……」
「高谷さんとは、どんな知り合いなの?」
「……えっと……どんなって……」
姉の目を見ることは出来なかった。
腕組みをして不快感を隠そうともしない姉に、たじろぎながらも、なんとか答えようとするけれど。
わたし達の関係を説明する言葉を見つけられなくて、結局は口篭ってしまった。
「言えない様な関係なの?」
姉の声は怒気を含んでいた。
もしかすると、わたしとタカヤの関係に気がついているのかもしれない。