真夜中の恋人
「お似合いだと思ったから」
ぼそりと呟くと、タカヤは「珍しいね、ナツが嫉妬するなんて」と面白そうに笑った。
「嫉妬?」
「違う?」
「どう、かな」
上手くはぐらかされたみたい。
でも、それでいい。
これ以上、わたしがタカヤと姉のことを知る必要は無いのだから。
「今日は、鮨を食べに行こう。ナツは生魚は大丈夫?」
「お鮨は好き」
そう答えると、タカヤが運転手に行き先の変更を伝えた。
これが、タカヤと最初で最後のデートになるのだろう。
だったら、少しぐらい甘えてもいいよね。
「冷酒、飲んでもいい?」
「ああ、好きなだけ飲むといい」