真夜中の恋人
お店を出ると、タカヤがわたしの腰に腕を回して引き寄せた。
一人で歩けないほど酔っている訳じゃないのに……。
「どうしたの?」
「…………」
見上げると、タカヤは厳しい表情で黙り込んでいる。
お店にいたときはご機嫌だったのに、一体どうしてしまったの?
お酒で浮腫んでしまった足が痛い。だけど、何も言えずに大通りまで一緒に歩いた。
「ナツ」
「なに?」
「話しておきたいことがあるんだ」
タカヤの低い声が鼓膜に響くと、胸に小さな漣(さざなみ)が立った。
雲の切れ間に薄っすらと見えていた月も、今はすっかり姿を消してしまった。
夜更けすぎには、雨が降るのかもしれない。
タカヤは立ち止まると、前を向いたままで静かに口を開く。
「俺は、一度離婚を経験している」
「……」
「もう結婚するつもりは無い」
想像していたよりも驚かなかった。
「どうして、わたしにそんな話をするの?」
「さあ、どうしてだろう」
タカヤは薄く笑うとタクシーを止めた。
一人で歩けないほど酔っている訳じゃないのに……。
「どうしたの?」
「…………」
見上げると、タカヤは厳しい表情で黙り込んでいる。
お店にいたときはご機嫌だったのに、一体どうしてしまったの?
お酒で浮腫んでしまった足が痛い。だけど、何も言えずに大通りまで一緒に歩いた。
「ナツ」
「なに?」
「話しておきたいことがあるんだ」
タカヤの低い声が鼓膜に響くと、胸に小さな漣(さざなみ)が立った。
雲の切れ間に薄っすらと見えていた月も、今はすっかり姿を消してしまった。
夜更けすぎには、雨が降るのかもしれない。
タカヤは立ち止まると、前を向いたままで静かに口を開く。
「俺は、一度離婚を経験している」
「……」
「もう結婚するつもりは無い」
想像していたよりも驚かなかった。
「どうして、わたしにそんな話をするの?」
「さあ、どうしてだろう」
タカヤは薄く笑うとタクシーを止めた。