ラブレターを君に
タクシーの運転手が、疑いぶかげに、ミラーを覗き込んでいる。が、そのうちに目的地に辿り着いた。




時間が時間な為にマンションも静まり返っている。



静かにドアを開けて、中に入る。



理音が……入ろうとしない。



(kazu)
「何だ!取って食うとでも、思ってんのか?バカじゃないの?とにかく、中入れよ!」



ようやく、理音は、中に入って来た。



多分、若い男の部屋に入るのが、初めてなのか、回り中をくまなく見渡している。



(kazu)
「何だ?お化けでも、見つけたのか?ここへ、座れって!襲いは、しないから。そんなに、怖がってたんじゃ、話しにならないじゃないか!
もうすぐ、温かくなってくるから」



(理音)
「ごめんなさい!………ごんべいさんに、迷惑かけてる………こんな時間に……」




カズは、いつものようにリモコン操作をした。




どこからともなく、音が聞こえてきた。



理音は、思わず聞き入って……




(理音)
「これっ、唄ってる人は?とても…綺麗な声……」




(kazu)
「これっ、………俺だから……」



(理音)
「えええっっ!!」そう言えば、音楽機材が、半端でなく、並んでいる。そして横には、黒色のボードが几帳面に、並べ立ててある。たくさんの雑誌、DVD、CD等々が、きちんと整然と整えられていた。



(kazu)
「そんなことより…お前、家で、何かあったんだろう?話してみろよ!此処には、俺とお前の二人だけだから……」
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