ラブレターを君に
マンションのドアを開けようとした時、微かにビアノの音色が奥から聞こえて来た……




あの曲は、確か…リストの………



何気に聞き入ってしまった。



リビングから、ドアを開けて入っていくと、ようやく気付いた理音が、俺を見た。



途端に、走り寄って抱き付いてきた。



(理音)
「お帰りっ、……今まで、時間たつの長かった。色んな事考えてしまって……」




(kazu)
「家には、電話したのか?(理音が、頷く)叱られただろう?どう言ったんだ?」




(理音)
「直ぐにでも、帰って来なさい。でないとここまで迎えをよこすからって、言われたの。それから、その、助けてくれた人は、誰なの?って、もうっ、根掘り葉掘り。電話切るの大変だった!」




(kazu)
「とにかく、今直ぐに支度して!出るから…あんな格好では、出れないだろう!分からなかったけど、洋服買ってきたから。文句言わずに着れよ!」



理音は、差し出した袋の中から洋服を取り出して見る。




洋服を子供みたいに、合わせて見せて………



(理音)
「ちよっと…可愛いすぎっ!でも、どうっ、似合ってる?」



(kazu)
「お店の人に全部任せたから、判るはずないだろう!17才の女の子の着る洋服なんか……早く待ってるから!着替えて来いって、後もう一つ…ケータイ!新規で買って来た…」



(理音)
「ええっ!ケータイって、確かに私持ってないけど…持つなって言われてるから。ってでも、それって、私の物?」




(kazu)
「ああっ、もうっ、時間ないから!行く途中に詳しく説明するから…」



普段プライベートで乗ってる車に理音を乗せて、理音の家まで走らせた。
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