ラブレターを君に
週に一度夜10時からラジオ番組を持っている為に、その日は、時間が押して大変だった。



しかし、何とか理音を送り届けた事は、安心出来たが、想像以上の父親だったのが、また心配な気にもなる。



その日のラジオのトークは、構成が出来上がっているにも関わらず、今の自分の気持ちを、思わずぶつけてしまい………その時は、プロデューサーは、怒っていたが、後々リスナーからの反響が沢山あり、素のカズが聴けたと言ってファンばかりでなく一般人からの、投書があり、スポンサーを喜ばせる結果となった。



カズにしてみれば、どうでもいいことであった。仕事に於いても同じであった。レコード会社が喜ぶ事だとか、スポンサーがどうのだとか、プロデューサーの顔色を伺うなんぞ、したくも無かった。




暫くは、また仕事に追われる日々が続いたが、理音が言ってたパーティーの日程は、記憶にあった。



あの日に、約束していた……その日は、俺が、お前を連れ出してやるからと………



理音は、きっと半信半疑だったかもしれないが、じぶんの中では、必ず行こうと計画を立てていた。
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