ラブレターを君に
(理音…
とうとうお父様に言ってしまった。いずれ自分の口から、言わなくてはいけない事だった。でも、今行動に移さないと……一生言えずじまいに終わってしまいそうで、怖かった。カズに言われた言葉を思い出してた。自分の言葉で両親にきちんと伝えよう…自分の将来の事を……)



翌日、父の言葉通り、母が学校に来ていた。三者懇談になってしまった。



しかし理音は、先生に尋ねられた際、きっぱりと、母の言葉を遮り、自分の思っている大学を伝えた。
母は、呆気にとられていた。



先生は、家に帰りよく家族で相談するようにと理音に言ってくれた。



(美歌)
「理音?……貴女、この間から、少し、様子が変よ!本当どうかしてるわ!あのカズという人と……何か特別な事でも、あったの?何も無かったのよね?お父様とも、話してたのよ!あの時から、理音が、何か反抗的になってきたみたいだわねって!」



(理音)
「何でそんな風に結びつけようとするの?自分で決めようと、思っただけなのに…カズさんとは関係ないことよ!」



(美歌)
「そうかしら?貴女には、解ってないだけなのよ!私達には、お見通しなのよ!…貴女がみすみす不幸になるのを、見過ごすわけには、いかないわ!」



(理音…
何で、いちいち、私が不幸になると、決め付けるのかしら!カズさんも、私も、何も悪い事なんてしてないのに………)



相変わらず、両親共々何にもわかってはいない。



美歌は、今日の事を報告する為に孝志の帰りを待っていた。



(孝志)
「学校の方はどうだった?」



(美歌)
「今日の理音には、本当っ、驚かされたわ!あんなにはっきりと言うなんて…
〇〇大学だって……あの娘が自分でそんなこと考えられるはずがないわ!」



(孝志)
「そうかっ!……んんっ、やはり…あいつだな!理音が急にそうなるはずがないのだ。……」
暫く考え込んでいたが…



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