引きこもりの俺が何かを言った。



「どうしたら、爽ちゃんを助けられるのかな?私、学校に来てほしい」

「だから無理だろ。いい加減分かれよ。」

「でも爽ちゃんは……」

「お前さ!」

陸人が足をとめた。

呆れたように私をみる。

でもその瞳がどこか悲しげで……。

「暇があればいつもいつも『爽ちゃん、爽ちゃん』……。ガキん頃から何も変わってねぇ。そんなにあいつが好きかよ?」

「好きとかじゃなくて……!」

「しらばっくれんなよ!お前のそういうとこ、大概うざい。もう疲れたわ」

陸人は私の横をスタスタと歩いて行ってしまう。

なんで、怒ったの?

「陸人!!」

呼び掛けても彼が振り返ることはなかった。

私達の心がバラバラになっていくこと。

それを痛いくらいに感じたんだ。

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