エリート医師に結婚しろと迫られてます
そういうこと?そんな兄の一言で、
私の人生決められてたまるもんか、頑張るのよ。
私だって、やられっぱなしでいるわけにいかない。
行かないかも。
反撃を試みる。みなきゃ。
みたいなあ…
「お兄ちゃん、何、言ってるんですか?
当日、しかも夕方になって、急に言われても無理ですから。
今日は、金曜日の上に週末です。
そんなに暇なわけないでしょ?」
私は、暴君様に向かって言う。
ささやかな抵抗だけど…
「なんだ?予定があるような言い方だな」
「夕方から会議が入ってるんです」
クライアントが一人相談にやって来るだけ。
だから、とても、会議と言えるほどの
ものではない。
でも、いくら弁護士だとしても、
精神的ダメージのために、
人数水増しくらいの嘘は、認められるはず。
「ほう…」
これから、ネロ様の前で宴だなんてとんでもない。
今日は思いきり、自分を甘やかして、
デパ地下の割引シールの付いた弁当を
買って、食べたらお風呂に入って寝るって決めてた。
ああ…湯船に好きな入浴剤を入れて。
それが、何で兄と酒飲まなきゃいけないの?
今日は、兄の思うようには行かない。
というところを見せなければ。
成功すれば、幸せなバスタイムが待っている。
大丈夫。兄だってクライアントを
ほったらかしてまで、
来いなんて言わないはず。
だって、本当にこれから
クライアントと打ち合わせだから。