エリート医師に結婚しろと迫られてます


私は、彼の表情を見た。注意深く。じっくりと…



「真理ちゃんが偶然この場所に来て、僕らのことおじさんに言いつけるって言った。
告げ口されるってことは、その時の僕に取って、すごく不味いことだった」


「父さんに分かるとなんで不味いの?」



「写真撮ってたって言ったよね」


「うん…」


「おじさん、僕より先に気がついてたんだ。僕の気持ちに。写真を見ればよく分かるんだよって言ってた。僕は、おじさんの信用を失うのが怖かったから…言われた通りにした」


「気がついたって何を?」




「君に対する気持ち…う~ん、悪い。ダメだ。

全然うまく言えない。

今はそれ以上追求しないでくれ。
言えるようになったら、ちゃんと言うから」


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