エリート医師に結婚しろと迫られてます
兄も、お酒が回って、美月が妹だと偽るのも、面倒になったのか、
「美月ちゃんにも、ビール」と全然構わなくなった。

普段仕事上では、兄は、厳しい人だと思うけど、こういう仲間同士の楽しい席では、お酒が入ると愉快な人になる。

兄は、美月をそのまま美月ちゃんと呼んだり、妹と呼んだり、支離滅裂になっていった。
お酒が、入ると兄は、陽気になる。

さっきからクールな視線が、私に注がれているのに気付いていた。

私は、下を向いたり、兄のわざとらしい芝居に付き合ったりして、まともにぶつからない様にやり過ごしていた。

こんな席に呼び出しておいて、下手な演技はするわ、
ほとんど話しかける事なく、客人をほったらかして気分がいいわけない。

私の方も、兄のイタズラさえなければ、ボロを出さず、下を向いたりせず、きちんと居心地が悪くない程度に、森谷さんの相手を努めたのに。


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