ウソつき彼氏とニセ恋愛




「お菓子作り、結構楽しくてさ〜
いつの間にか熱中してたら今日寝坊しちゃって」



だから遅かったんだ…。



昴くん、手先器用なんだな〜。



「すごく嬉しいよ!
本当にありがとう!!」



「…放課後少し時間もらっていい?」



「?いいよ!」



なんだろう、真剣な表情だけど…。



「俺の家…来ない?」



「昴くんのお家?」



昴くんのお家は一度も行ったことがない。

前に昴くんは、友達も家に連れて行ったりしないって言ってたな。



大切な人だけ入れたいんだ…って。



だから、誘ってくれたってことは、
私は昴くんにとって“大切な人”ってことだよね?



嬉しくなって頷くと、
昴くんは照れ臭そうに笑った。




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