鈍感さんに恋をした。
号令が終わると、俺は真っ先に席を立ち上がった。
「莉愛」「湯河原センパイ」
ほぼ同時に発せられたそれぞれの名前に驚いた。
前を見ると、目の前には莉愛がいて。
「…あの
………昼休みの時に言った事、覚えてますか?」
「…ああ」
俺はしっかりと頷くと、莉愛は納得したような顔になり、無言で歩き出した。
俺も、その後に続いた。
「や、柳田さん…?」
あの男が莉愛に付いて行こうとした。
「中村くん、悪いけど、先に行っててくれる?」
「あ……は、はい…」
男はポカンとしながらも、慌てて反対方向に走り去って行った。
数分歩き続けて、中庭に着いた。