伝えたい。あなたに。
またやっちまったよ。

「はぁ。」

また話聞いてやれなかったな。

「どうしたんですか?山瀬先生ー。」

そう言って医局に入ってきたのは俺の同僚の、広瀬夏樹だ。

『広瀬って精神科見れるんだっけ?』

「はい。見れますよ。なんかありました?」

『俺の担当してる、高島優香ちゃんさ、白血病で治療してんだけど、

どうもなんか抱え込んでてさ。どうしていいかわからなくて。

病気も急に発覚して本人も受け入れられてなくて。』
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