きみの愛、ボクにください。~I LOVE YOUと伝えたい~

カット3

もうなーんにもわからない。


私は制服のままベッドにつぶれた。人前では〈ボク〉っていうけど、ボーイッシュに振る舞うけど、ほんとはそんなのが私じゃないし。ただ、この方が《似合っている》のは確かだから、そうしてるだけ。

明日、学校に行きづらい……サボろうか?
…でも、そんなことできるのだろうか?

あ、そもそも学校休んじゃったら雨情航に会えないか。
でも、顔を見るのも怖いし…もうどうしたらいいの?

頭はぐちゃぐちゃ。整っていつもなら晴れる床も、ぐしゃぐしゃに汚くしてやりたい。
そうやって、自分のきもちと同化させたい。そうしたら、きっと誰も私の心配には、私がこんな《恋》だなんてしょーもないものに悩んでるって気付かない…いや、欲を言うと見つかりたくない。ただずっとかくしておきたい。

「…バカヤロー。」

小さく、呟いた。誰にも聞こえないように、でも確かに存在している私を見せつけるために、弱く、小さく、芯を持って言った。路地裏の白い花のように、言ってやった。

そしたら、叫びたくなった。

「バカヤロー!!!!!」

枕に顔を埋めて、目一杯に叫んだ。腹からぐっと沸き上がるマグマは、きもちよかった。私の心を少しばかり落ち着かせてくれた。
でも、まだ少し喉のあたりに溶岩が残っていて、熱かった。

「バーカバーカバーカ……雨情。お前のせいで私、もうメチャクチャ。でもね、でも私ね、好きなんだぁ…」

どうしようもなくて、もう…ただただあなたが好き。それだけ。私はその《それ》だけに振り回されているんだけどね。





ちょっとだけ、スッキリできた。

「…ありがと、雨情航」


自然に、くすっと息が零れた。
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