ドキドキ恋の短編集
【過去】

凛生side

私、加藤 凛生には
当然だけど、過去がある。

少し長くなるけど、
聞いてくれるかな?

~これは私が3歳の時のお話し~

『キャーーーァーーーッ!!!!』

『うるさい!!!!!!!』

なぁに?

ママ?パパ?

なに…してるの…??

『凛生!!!!り、ぃ!!…ぃ!!』

ママ…?

『おら!!うっせぇんだよ!!!!』バコッ

ドンドンッ
ガンッ

パ…パ…???


『り、り…ぃ…!ぉ、じいちゃん、呼んで、来、て、、!』


『ぅ、ぅん、、、!!』


そう、私のママは
私のパパにいつも殴られていたの。

何かある度に殴られて、
ママの片方の腕がほとんど
真紫に変色してるときもあった。

どうしてママがこんなめに
あわなきゃいけないの?

そんなこと、多々思っていた。

そんな中、3歳の私が
はっきりと覚えているのは
この日限り。

この時、私には
まだ生まれて間もない妹がいたの。

妹の名前は茉暖(マノ)。

茉暖はちょうど一緒にすんでいる
ひぃお祖母ちゃんが預かっていて

それだけでまず、助かったと思う。

生後間もなくても
父が母を殴っている所を
赤ちゃんなりに記憶されて
残ってでもしまったら嫌だから。

綺麗事でも、こんなことを
覚えているのはもう、
私だけで十分。

まぁ、このあとは私が
おじいちゃんを呼びにいったの。

『おじい、ちゃ、ママ、が、
パパ、が、ママを…』

半泣きになりながらも
訴えると

おじいちゃんはすぐに
私を抱き上げて

台所がある部屋にいったの。

ちょうどパパもママも降りてきて、

ママは逃げるように

パパは怒りに怒って…

そこからは

私はお祖母ちゃんの部屋に
入れられたの。

でも、その台所がある部屋は
お祖母ちゃんの部屋のすぐ横。

だから、見てしまったの…

叫びながら、

重くて固い椅子を持ち上げて…
殴りあったりして…

ものが壊れていくのを…。


そして、とうとうパパとママが
離婚することになったの。

でも、
そう簡単には行かないんだね。

私が一年生に上がってすぐのこと。

私の家は
新築に引っ越してまだまだ間もない
綺麗な家だったの、でも、

そんな家で

叫び声や怒鳴り声が聞こえて、

食器の割れる音。パリンッ ガシャン

包丁が出てくる音。シュ

そんな音が聞こえる。

本当は怖くてたまらなかった。

でも、こんな私にも守る人がいたから、茉暖を自分なりに守った。


それなのに…。

私は悪いことをしたわけじゃない。

そうでしょ?神様。

私のなにがいけないの?

本当に心から泣いた。

その理由は…


“トラウマ”

男の人が怒って叫ぶ。その声が、
物凄く怖くなったり、

男の人が怒って物を壊す。
その行為は、怖いのに、
怖すぎて腹がたつ。
そして、なにをあろうことか、
笑ってしまうの......
まるで、、、
狂ってしまったかのように...ね、。

でも、
別に男の子が苦手なわけじゃない。

同じ年だと、ただ、ほんの少し、
怖いの。

年上だと、
どうしようもないぐらいに怖いの。

“トラウマガヨミガエルノ”


そんな私の彼氏にも
いろんな過去がある。

だけど、私は
どんな君も好きなの。

ねぇ、邪魔しないで。


一真side

俺達が付き合い始めた次の日。

学校ではもちろん、
ニュースに報道されたのか!
ってぐらいのスピードで

俺達の関係がバレた。

まあいつかはバレるしな!

っと、まあ、そんな俺にも
過去がある。

俺達は中2の
秋前に付き合い始めた。

でも、すぐに離ればなれ。

俺は、
俺は“施設”入れられたんだ。

何度も家出した。
何度も殴られた。

何度も、何度も何度も

嫌だと言った。

それでも中2の俺なんかじゃ
どうにもならなかった。

俺の親も離婚して、

父には彼女がいた。

施設に入れられる前に
お父さんの所で
住まわせてもらった。

お父さんも母さんに
施設のことは止めてあげろ、と

言ってくれたけど、

話なんて聞いてもらえず…

俺には兄弟がいた。

だからか、俺だけ引き取るわけには
行かない。と、

結局、施設に入れられた。

付き合う前にそれを知った
凛生は泣いた。

それでも、“うん”と言って
付き合ってくれた。

二人とも大喜び。

それから少したって

俺は施設に行った。

中3の卒業式が終わると、

施設を出れる。

卒業すると、俺はすぐに

地元に戻った。


そして、再開して、今がある。


[強く、明るく、たくましく]


「おかえり…!」

と言いながら泣いてるのは凛生。

「ただいま!」ギュッ

と言って笑うのは一真。


「ち、ちょっ!一真!!?//」

「んーなにー?照れてんの?」

「や、別にっっ!///」

「…照れてんじゃん笑」

「うるさいー!!!笑」

「なあ。」「んー?」

「強くね?」「何がー?」

「力。」「…わざとだよ。」

「そか」

「うん。たくましくなったね」

「うん、男だからな。」

「そか」「おう。」

「暗いなあ。いつも明るい凛生ちゃんゎどこ行った?」

「明るいわ!!笑」

「あははっ、爆笑」

「こ、これから、も、
よろしく、ね、!!」

「おう!照れすぎ!可愛ぃー!」

「ばか!!!//」


こんな会話、
馬鹿馬鹿しくも思えるけど、

ずっと続くといいね(な)。
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