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雨の出逢い

あの一年前の雨の日……。
その日は天気予報が外れて、帰りのホームルーム中に土砂降りに見舞われたのだ。

あの天気予報士、もう絶対信じないぞ。と、悪態を付くものの、俺はA型なので、ちゃんと学校に置き傘をしている。

しかし、悪い奴はいるものでたまに盗まれてしまうのがネックだ。今日は傘が盗まれないように早めに帰ろう。

俺はそう考え、ホームルーム終了後、手短に掃除を終え外へ出た。やっぱり結構降っている。

街行く人はこの突然の雨に、鞄を頭に置き走る人もいれば、店の軒先で雨の止むのを待っている人もいる。

そんな中俺は、ふと、門のところに立っている女の子に目がいった。傘を忘れたのだろうか。雨宿りをしている。

可哀相に……。俺はそのままその子の前を通ろうとした。俺はちらっとその子の顔を見た。なかなか可愛い。

……きっと彼氏とかいるんだろうな。そんなことを考えていると、あることに俺は気付いてしまった。



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