HE IS A PET.


 私は狡い。

 守田さんの気持ちにもシュウのプロポーズにも応えられないのに、好意には甘んじている。

 怜を想う痛みを、会えない淋しさを、少しでも紛らわせようとしてた。


「あの人じゃないんだ。どんな人? サキちゃんの好きな人って」


「どんなって、フツーの…男の子だけど」

 フツーの基準が普通じゃなければ。


「男の『子』ってことは、若いんだ?」


「うん、まあ」

「いくつ? 何してる子? 大学生とか?」


 しどろもどろになる私に、シュウががっつり食いついてくる。
 突っ込んで聞かれるとは思わず、無難な答えを用意していなかったことを悔やむ。


「今年、二十歳。仕事は……アパレル関係」

 嘘は言えないけど、本当のことも言えない。

 アズミンのペットに恋してるだなんて、不毛なことは百も承知だし。


「二十歳とかマジで? チキショー、若さじゃ勝てねー。顔は?」

「は? 顔って」

「俺の方がかっこいくない?」

 シュウが言うと、冗談にも嫌味にも聞こえない。ただ誉められたいだけの幼稚園児みたいだ。


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