HE IS A PET.
Party


 その警告音がどこから鳴っていたのか。
 今はっきりと分かる。

 本能からの警告だ。

 この男は、危険。


「初めまして、倉橋さん。行成新(ゆきなりあらた)と言います。翠幸会三代目の息子で、四代目の甥でもある、少し変わった血筋でね。まあ、役職的に言うとチトセより少し偉いよ」

 このランチパーティーの主催者らしき行成新は、わりと砕けた調子でそう言って漆黒の瞳を細めた。

 柔和なその笑みを薄ら寒く感じるのと同様に、色々と違和感を抱く。

 三代目の息子?
 三代目って、チトセの曾お祖父ちゃんだよね?

 新はどう見ても、二十代後半か三十代前半。

 それに、三代目には娘ばかりで跡継ぎが生まれなかったって……あ、

『愛人には、息子がいたらしいけどな』

 それが、この人?


「だから、食事を中断されて正直とても不愉快だ。千歳一人なら追い返すところだけど、可愛い彼女連れじゃそうもいかないね。お前はそういうところ、本当に狡猾だよね、嫌になる」

「それはこっちの台詞だろ。随分卑怯な手を使うじゃねえか。墓荒らしの件は、俺が会長と話つけてんだよ。安住とも、もう話はついてんだ。あんたと話し合う必要はねえ」

「ああ、話し合う必要はない。とりあえず着席しろよ。立ち話じゃ、失礼だろ」

 新の言葉に、立っている男が二人、空いている椅子をそれぞれ引いた。

 広い貸し切り部屋の真ん中に、赤い円卓。
 金銀赤の龍の装飾が施された大皿が、ぎしりと並んでいる。


< 315 / 413 >

この作品をシェア

pagetop