HE IS A PET.
Telephone call
 要領を掴めば、簡単だった。


 怜は言葉足らずだけれど、感情は分かりやすく顔に出る。

 不安そうに見える時は、頭を撫でてやる。そして言葉がけ。「好き」を伝えると安心する。


 就寝前には『おやすみのキス』

 怜のそれは、恋人に求めるものとは質が違う。眠りに堕ちる前の不安を拭うためのもの。

 私が差し入れた舌を緩やかに吸いながら、怜は安心して眠りにつく。
 まるで赤ん坊みたいだ。



「怜、そろそろ起きなよー。ご飯食べる時間なくなるよ」

 いつも六時前には目を覚ましている怜が、今朝は六時を過ぎても寝ていた。


 うちから怜の学校は遠くて、交通の便も悪い。
 乗り換えして行けないことはないけれど、通学だけで疲れさせるのは不憫だからとタクシー通いをさせている。私が、じゃなくてアズミンが。
 タクシー代は無論アズミン持ちだ。

 過保護に思うけど、怜は自分に厳しすぎるところがあるから、飼い主は甘すぎるくらいで丁度いいのかもしれない。


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