HE IS A PET.
Star Festival




 七夕は雨だった。

 梅雨真っ只中だから、仕方ない。
 六月は空梅雨で、ほとんど雨が降らなかった。代わりに、七月に入って雨続き。

 昨日から九州地方は大雨で、土砂災害警報が出ている。

 ――四国は大丈夫だろうか。

 怜は、大丈夫だろうか。

 雨が降る毎日、そればかりが心配だ。


『待っててくれる?』

 あれから一ヶ月、何の音沙汰もない。

 あの日以来、アズミンとも連絡が取れない。
 真崎さんは言葉を濁すけれど、どうやら故意に避けられているみたいだ。

 怜を逃がしたこと、まだ怒ってんのかな。



 脩吾から電話があったのは、七夕の夕方だった。

「ハッピー七夕ぁ、サキちゃん。何してんのぉー?」

 のほほんと、気楽そうに語尾を伸ばす馬鹿っぽい喋り方は、昔から変わらない。

「ハッピーじゃないんじゃないの、雨だよ」

 晴れなきゃ、織姫と彦星は会えない。
 年に一度の逢瀬というけれど、天候条件まで加味されるわけだから、二人が会える確率はものすごく低い。

 実際どのくらいの確率で七夕って晴れるのかな。毎年、割と天気が悪いような気がする。


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