プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「どっから出てくるんだ、その自信は。
仮にテメーのことだとしても、一輝がこう言ってんだから待ってやれ」

「待ってるよ!待つの大嫌いなこのあたしが!
だけど、長すぎる!もう待てない!
いや、待つけど!」

「どっちだ。
まだ三ヶ月も待ってないだろ、どんだけ堪え性ねぇんだテメーは」


とことん焦らしてくれる一輝くんに憤るあたしに、的確にツッコミを入れる裕貴。

一輝くんはそんなあたしたち姉弟を微笑ましそうに見ている。なんで自分は関係ないみたいな顔してるのか。


「俺、次の駅で下りるけん。
先輩また明日。裕貴も、また」


次の駅の名前がアナウンスされると、さわやかに挨拶する一輝くんに名残惜しいけど、あたしも手をふる。


「おう、またな。
またグラウンドで勝負しような。
なんかあったら電話してくれ」


電話?いつのまに連絡先交換したの?と疑問に思ってる間に、裕貴は一輝くんの肩に手を置いて、ニッと笑って親指を立てた。


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