プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「ありがとうございます。
あの約束は、来年でもよかですか?」

「あの約束って、甲子園行けたら付き合うってやつだよね?

それはヤダ!ていうか、絶対ムリ。
本気であたしのこと一年も待たせる気なの?
あと一年も一輝くんの彼女になれない、キスもできないなんて耐えられない!」


裕貴に言わせれば、どんだけ堪え性がない女なんだって言われるだろうけど、待てないものは待てない。

ていうか、あたしにしたら、かなり待った方だと思う。

素敵な笑顔でおあずけを宣告してくれた一輝くんに、それだけはやめてと懇願する。


「......言い方間違えました。
甲子園に行くのは、来年まで待ってもらってもよかですか?」

「え?じゃあ、もうひとつの方は?」


一輝くんは首をかしげて少しだけ、言い方を変えた。
ほんの少しだけで、ずいぶんニュアンスが変わった気がする。

ということは......。


「一年間もキスできないなんて、俺の方が耐えられんです。俺、先輩のことが、すっごく、好きみたいです。
毎日会うたびに、どんどん好きになります。

みどり先輩が、好きです」

「あたしもっ!あたしも、一輝くんが好き。
初めて会ったときから、一輝くんのことが好き」


照れたように、だけどまっすぐにあたしの顔をみて、たくさんあたしを好きと言ってくれた一輝くん。

そんな一輝くんの胸のなかに、迷うことなく飛び込んでいく。
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