プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
その間に、もともと二塁にいたランナーが帰ってきて、点を入れられ、4-1。

点は入れられたけど、点差は十分あるし、それに......。


「ツーアウトー!!あとひとつ!」


一輝くんが立ち上がったまま、指を二本立てると、他の野手のみんなも同じ動作をする。


「ツーアウトー!」

「あとひとつ!あとひとつ!」


うん、みんな落ち着いてる。
全然大丈夫。


「ふーん......。
無名公立校で甲子園目指すってクレイジーなこと言うわりには、一輝くんってつまらないプレイするんだね」

「は?」


安心してみんなに声援を送っていると、横から聞こえてきた失礼な声。

この回までほとんどしゃべらず真剣に試合を観戦していたかと思えば、いきなり妙なことを言い出した秀に視線をやる。


「このチームって意外とレベル高い子がいるんだね、びっくりしたよ。

うん、一輝くんも悪くないよ、悪くないんだけど、パッとしないよね、これってものがない。
あのショートで四番の彼ほどのパワースラッガーってわけでもないし、リードも慎重すぎ。

さっきも二塁じゃなくて、ホームで刺せたんじゃない?」


......、秀の言うレベル高い子は、みのると敦士のことよね、たぶん。

頬杖をついてグラウンドに目をやりながらも、一輝くんのダメ出しをし始める超絶失礼な男が横にひとり。


たしかに、メンタル面は不安はあるものの力を発揮できれば変化球もキレッキレのみのるや、県大会でもホームランを連発した敦士なんかに比べちゃうと、一輝くんはこれってものがないかもしれない。

盗塁王狙えるほど足が速いわけでもないし、敦士ほどの強打者でもないし。


でも、一輝くんの真価はそこじゃないの。
秀は気づいてないんだろうけど。
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