プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「話さなくていい。
今でも十分気まずいかもしれないけど、核心に触れる部分を言っちゃったら、たぶん一輝くんは......みのるを許さない。

......甲子園、行きたいよね?みのるは今年が最後のチャンスなんだよ」


バッテリーが険悪な状態になれば、甲子園はきっと遠くなる。

あたしの言葉に、みのるはうつむいてテーブルの上で手を握った。


「そりゃ行きたいけど......。
にっしーの恋愛を犠牲にしてまで、行きたくない」


何かを考え込んでいたようだけど、顔を上げると決心したような目をしているみのるに、ゆっくりと首をふる。


「もう手遅れだよ。
話しても話さなくても、どっちみち一輝くんとあたしは元には戻れない。もうあたしたちは終わりなの、みのる」


どっちにしたって戻れないなら、これ以上犠牲を増やす必要なんかない。


甲子園に行きたいからとか、一輝くんやみのるの夢を叶えたいとかよりも、むしろ......

なんかもう、なにもかもがどうでもいい。
甲子園もテストも先のことも、今は何も考えたくない。


それからもみのるは色々言っていたけれど、投げやりになって生返事を繰り返すあたしにため息をついた。

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