プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

2、通過点か未来か

「みどり。今帰り?」


その日の放課後、家の近くの駅の自販機でお茶を買っていると、後ろから声をかけられた。


「秀。なんか久しぶりだね」


振り向くと、予想通り青色のエナメルバッグを背負い銀月館のブレザーを着た幼なじみ。


「甲子園に行く前にあったから、一ヶ月くらい?」


毎日同じ駅を使っているにも関わらず、逆方向の電車使ってるから、ちょっとタイミングがずれると全然あわないんだよね。

お互い朝は早いし帰りは遅いしで、そっから会おうともなかなかならないし。


春の選抜甲子園に行っていた秀は、まだ四月なのにだいぶ黒くなってる。

この一ヶ月でだいぶ焼けたよね。


「電話でも言ったけど甲子園優勝おめでとう。
今年の銀月館はヤバかったね、強かった」


お茶を取り出し口からとって、自販機から離れて家の方へと歩き出すと、秀もあたしの横についてくる。





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