プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

3、言わない関係

桜の季節もいつのまにか終わり、新しいクラスにもすっかり慣れたGW。

今年のGWもどこかに遊びに行ったりすることはなく、もちろん部活に始まり部活に終わる。


そんなGW最終日、他校のグラウンドに遠征にきているあたしたちは試合前のノックを行っていた。

理穂が外野の方行っちゃったから、内野で先生にボール渡ししてるけど、ビミョーに気まずいんだよね。

ノックで散らばったボールは、ホームベースの近くにいるキャッチャーが集めてくれたりするし、ものすごく近くにいるんだけど、そのキャッチャーのひとりの一輝くんとはこの前友だちやめたばっかりだし。


フツーにしてたらいいんだけど、恋人でも友だちでもない、ただの部員ってわけでもない関係ってどんなんだっけ。

友だちだった時よりも、さらに距離感が分からない。


距離感に迷ってたからかな。
一輝くんが拾ってくれたボールを直接あたしに渡してくれたとき、ちょっと手が触れただけで異様に焦ってしまって、さっと手をひいてしまった。

当然のことながら、行き場をなくした数個のボールはすぐ近くの地面にポトンと落ちる。


一輝くんは一瞬ショックを受けたような顔をしたけれど、すぐに眉間にシワを寄せて、ボールを拾ってから。

その拾ったボールを今度は直接渡さずに、あたしの肩にかかっている遠征の時用のボールを入れるバッグに入れた。


......感じ悪かったかな。

て、どう考えても感じ悪いよね。
いくら友だちやめたっても、アレはナイ。

さすがに謝った方がいいかと思ったけど、キャッチャーのノックに移ってしまったのでそれもできず。

結局そのままノックが終わってしまった。
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