プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「そうでもねぇよ。
つうか、オジサンたちにまだ付き合ってるって言ってねぇし」


しかしあたしの予想に反して、裕貴はあっさりとそれを否定する。


「ふーん、そういうもんなんだ」


子どもの頃からの知り合いと付き合ったことないから分からないけど、それはそれでまた別の気まずさがあるのかな。


「付き合うっつっても、今までと特に何もかわんねぇしな。相変わらず野球と学校の話しかしねぇし」


普段はこんな、彼女の話をしたりしないのに、珍しく今日は饒舌な裕貴の話を、ふーんと思って聞く。

それにしても、野球と学校の話ばっかとは我が弟ながら情けない。

まあ一輝くんもそんなもんかもしれないけど、一輝くんはいいの。弟は情けないけど、一輝くんは許す。


「へぇー......。
ねえ、もしかしてキスもまだってことないよね?」


何も変わってないって聞いて、もしかしてと思って聞いてみたら、裕貴はそれに答えず、急に黙りこむ。


......図星だったみたいね。

やっぱね、そんなことだろうとは思ってたけど。

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