プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
視線の先にいたのは、野球帽をかぶりスタンドを見上げる二年生の三樹くん。

内巻きががんばってと声をかけると、照れたように手を上げる。

彼氏って、......まさかアレ?


「彼氏って三樹くんのこと?
一輝くんの友達で、同じクラスの?

......あのさ、あたしの勘違いじゃなければ、一輝くん狙いでなかった?なんでよりにもよって、三樹くんなの?」


内巻きが一輝くんから他の男にいってくれたのなら、あたしとしてはそっちの方が良いんだけど、なんでわざわざ当てつけのように同じ野球部で彼の友達を選んだのか。

純粋に気になるよね。


「今だから言いますけど、がっつり狙ってました。
先輩と別れたって聞いて、猛プッシュしましたし。
最初は一輝くん誘うためのだしに、三樹くんも誘ってたんです」


一輝くん誘っても二人だときてくれないから、とグラウンドの方を見ながら話す内巻きと同じように、あたしもそちらに視線をやる。

三樹くんの隣で素振りをしていた一輝くんと目が合うと、軽く手を振ってくれたので、ふりかえしておく。
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