プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
点差は十分ある、それなのになんだかなんとも言えない嫌な雰囲気が漂っていた。

ジリジリと熱い夏の太陽に照らされて、額から流れる汗を手でぬぐったマウンドのみのるの表情はかたくて、あたしにまで緊張が伝わってくる。


あせらないで、みのる......!
打たれたっていい、まだ点差はある。


もう声援を送るくらいしかできない。

祈るような気持ちでフルカウントでのバッターとの勝負に挑もうとするみのるを見守っていると、キャッチャーをしていた一輝くんが立ち上がり審判にタイムをもらった。

一輝くんがマウンドに走っていくと、他の内野手たちもそこに集まり、すぐにベンチからも控えの選手が伝令にいく。


何話してるんだろう。
意外とどうでもいいこと話してたりして。


あ、笑顔......?

顔を寄せて何かを話しているみんなの話の内容をアレコレと推測していると、いつのまにかみんなが笑顔になっていた。もちろんみのるも。


みのるの肩を叩いて何か声をかけた敦士をはじめ、みんなが守備位置に戻っていくと、すぐにゲームが再開される。
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