プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
夢見心地のまま、星が丘の校歌を歌うみんなを見て、応援席のごみを集めたり、掃除をする。

まだまだふわふわしてる、現実じゃないみたい。


現実だよね?ちゃんと甲子園行けるんだよね?


嬉しい気持ちと信じられない気持ち半々で、頭がふわふわしたまま、片付けが終わり、下へと降りていく。

ベンチの片付け手伝わないと。


自分たちのベンチの掃除を手伝おうと、控え室前の廊下を歩いていると、ちょうど相手校の選手から千羽鶴を受け取り、握手を交わす一輝くんを見つけた。

相手校の選手が去って、あたしと目が会うと、一輝くんは笑顔を見せて、早足でこちらに近づいてくる。


「一輝くん......」


おめでとう?
お疲れ様?
甲子園行けるね?


近づいてくる一輝くんに何か言葉をかけようとしたけれど、一輝くんの顔を見たら胸がいっぱいになってしまって、なにひとつ言葉にならない。



< 533 / 623 >

この作品をシェア

pagetop