プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「一輝くん!ちょっと!」

「ん?」


にこやかにベンチの中に入ってきた一輝くんの腕を引いたその時、先生の指示通り初球打ちを実行した敦士の姿が視界の奥に見えた。

高めのゆるいカーブをバットの真芯で捉え、打球はライトスタンドへと運ばれる。

初球狙い打ち、ツーランホームラン......。
今日のうちのヒット三本のうち二本はあいつだし、このタイミングで打つなんて、マジであいつなんなの。


とたん一輝くんを含むベンチにいた全員の声で、ベンチの中が一気に騒がしくなる。


7ー2、逆転したわけでもないし、まだまだ点差は大きい。点差を広げられる可能性も大。


それでも、この二点は大きい。
あの銀月館相手にうちでも点がとれるんだって分かったわけなんだから。

なんにしても、0が続いていたうちのスコアボードに違う数字が入った。


これはみんなのテンションを一気に上げるには十分なものだった。あたし以外。


< 588 / 623 >

この作品をシェア

pagetop