絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～②
3人の男子生徒たちは詳細が何も書かれていないチケットに興味津々だ。


「ちょっと、そのチケットはあたしが公恵にあげたんだけど」


声を低くし、まるで唸るようにそう言った。


あたしが怒っている所を滅多に見たことのないクラスメートたちが、驚いたように静かになった。


「これ、なんのチケットだよ」


金縛りが解けたようにそう聞いてきたのは、チケットを持っている男子だった。


クラスで一番背が高いが、成績は最下位だ。


まさにウドの大木というやつ。


あたしはそんな男子生徒を下から睨み上げた。


「それは《mother》で行われるイベントのチケット。何があるのかは当日参加して初めてわかるイベント」


「はぁ？　なんだそりゃ」


男子生徒は不思議そうな表情になってチケットを見た。


「イベントに行きたいならチケットを都合してきてあげる。でもそのチケットは公恵のものだから、返して！」


「まじで？　俺たちのぶんも？」


あたしは頷く。


すると男子生徒は素直にチケットを公恵へと返した。


無事にチケットが公恵に戻ったところを見て、ホッと胸をなで下ろす。


「きっちり3人分、明日持って来いよ」


ウドの大木が偉そうにそう声をかけてくる。


あたしはニヤリと笑った。


これで一気に奴隷が3人集まることになる。


予想外の展開には少し驚いたけれど、うまくいった。


「もちろん、3人分キッチリ持ってくるよ」


あたしはそう答えたのだった。
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