絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
自分の事じゃないのに、まるで自分のことのように苦しげな声で。


「俺じゃ彼氏の代わりにはならないかもしれないけれど……でも、俺は朱里ちゃんを1人にしたりしないから」


優しい言葉がジワリと心の中に広がって行く。


だから、余計に涙が出てきて止まらなくなってしまった。


「優也さん……」


「なに?」


「あたし、このゲーム必ず成功させたいです」


あたしの言葉に優也さんがスッと身を離した。


その顔には驚きの表情が浮かんでいる。


「翔吾のためにも、死んで行ったみんなのためにも、絶対に成功させたいです!」


「あぁ。必ず成功させよう」


優也さんはそう言い、しっかりと頷いてくれたのだった。
< 7 / 140 >

この作品をシェア

pagetop