絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
突然のあたしの言葉に彩美はますます眉を寄せた。


「いきなり、何を言いだすの? 朱里が下位レッテルを張られるわけないでしょ?」


彩美は冗談だと捕らえたらしく、そう言って笑った。


しかし、あたしは笑わなかった。


真っ直ぐに彩美を見つめたまま、言葉を続ける。


「下位レッテル者が連れていかれる矯正施設から、あたしは脱出してきたの。


だけど、外へ出ただけじゃダメだった。また、次の試練があった」


あたしはそう言って軽く奥歯をかみしめた。


あれほど過酷な脱出ゲームをさせておいて奴隷から脱出できないなんて、今思い出しただけでも腹が立った。


「《mother》の連中は13日に自分の代わりとなる人間を5人連れてこいって言ったの」


そう言い、あたしはチケットに書かれている日付を指さした。


「嘘でしょ? 何言ってるのかわかんないよ?」


彩美はその日付を見ながら左右に首を振った。


「嘘じゃないよ。全部本当の事。ほら、見て」


あたしはそう言い、ハイネックを少しだけずらした。


その奥からは銀色の首輪が顔をのぞかせる。


それを見た彩美は一瞬にして顔色を変えた。
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