シュールな関係
親が蒸発してから

ムリして俺の父親と母親になりきり

彼氏すら作ろうとしない。



俺?


俺はちゃんと付き合ってる奴いる。


だけどやっぱり一番大切なのはねぇちゃんだけど。


あっ けど交際してるのは 姉ちゃんには内緒だ。




バレるとアレこれとしつこく聞かれ

連れてこい、紹介しろと言われるに決まっている。




今日の一ノ瀬さんの訪問は偽物とはいえ

『もしかして姉ちゃん春近し?』

と内心期待しながら


俺はわざわざ朝5時に店に着くように

限定10組の羊羹を並びに行ったんだぜ?



当たり前の顔で持って行ったけど―――



そこで寝てる 姉ちゃん

俺の気持ち分かっているかい?



俺は心配してるんだぞ?



なのに今は酔っぱらいか?

ほんとなんだよこのお金は!




今すぐ起こして問いただしたいが無理なのは一目瞭然





それとも・・・

俺が悪かったのかな?



バイトを断ってでも姉ちゃんの

話を聞いてやったら良かったのかなぁ?



姉ちゃんなりに苦しんでいたのかもしれない・・・




ゴメン姉ちゃん




この25万を見て俺は胸が痛くなり

ますます憂鬱にハマっていった。

< 129 / 441 >

この作品をシェア

pagetop