シュールな関係
「そんな言い方しなくったって…」


つまづいて抱き付いたのは悪いけど…


後はちゃんと

山本さんの教え通りに…したのよ



もの凄く怒る大和に何だか泣きたい気分になる。



「ど~せ 

わたしは一般庶民の普通の女よ


この世界のことはなんにも…分かんないわよ!!」

俯いて声を詰ませる。



「拗ねんなって 

その顔、ますますブスになるぞ」

さっきは褒めてたと思ったら

今度は怒り出すし…一体なんなのよ!


「拗ねてなんかないわよ

わたしはどーせブスだから!

世間知らずだし、芸能人を見たのも初めてよ!

見え透いたお世辞すら見抜けないわよ」



悔しさいっぱいに不満を吹きだす。


「パーツの完成度の高い大和には

わたしの気持ち分からないわよ

もうほっといて!」


「だから、奈緒は綺麗だって言っただろ?!」


「じゃ大和が言ったその『綺麗』も白々しいお世辞だったのね

見抜けなくて申し訳ありませんでした


それに彼とは大した話もしてないんだから!

どうして怒ったりするのよ

自分だって、他の人と話をしてたくせに…」



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