シュールな関係
 


―――――翌日――――


「ピンポーン、ピンポン ピポピポピポ」



インターフォンが連打する様になりだし

かけるように急いて晴人がドアを開ける。



「隣のもんだけどーーー…」


男性が挨拶に来た


「お隣さん?


急な引っ越しですね!


ゴミの日とか分からなかったらいつでも聞いて下さい」


礼儀正しく挨拶をする晴人をフッと笑い…見る男



カンカンカンと鉄の階段の音が響聞かせながら業者が忙しそうに荷物を運び入れている…


「姉ちゃん!! 

新しいお隣さんが挨拶にきたよっ」



お隣? 洗濯の手を止め玄関に行くと…



「や…大和!!?」


そこに立ってるのは黒い皮ジャンを着た大和で…



「あのさぁ腹減ったから早く

引っ越しそばでも作ってくんねぇ?」



大和と聞いて晴人がビックリとして

わたし達の顔を交互に見る。




「大和! 

なんで隣に引っ越しなの!? 



わたし聞いてないわよっ」



「俺話してねぇからな

引っ越しは急に決まったから」



そうよ…


転勤のないはずの三好さんが

ここに住み続けたいと言ってたのに―――



昨日、いきなり引っ越しとはおかしかったのよ!!



「大和 三好さんに何かしたの…!?」



「隣の奴に他にいい物件あるから


引っ越し代に色を付けて…高級家具付き


家賃は一緒でいいって条件を出したら


直ぐに飛びついたしな」



買収し、追い出したってことか!?




「それでまだ?

引っ越しソバって引っ越しして来た人が

喰わせて貰えるんだろ?」



「バカ大和!! 

挨拶来る方が手土産持って来るの!!



もう社会人なんだから

自覚ぐらいもちなさいよっ!」



「奈緒のくせに正論ぬかすな!
 


おまえが晴人だよなっ 

未来の弟よ、ヨロシクなっ!」
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