シュールな関係
だけど恋人役なんて重荷すぎる



自信もない…


一時的な彼女役ってことよね?



留美だけでなくファンクラブの

子達にバレないよね?




う~んっ




この状態からの

逆転劇はなかろうか・・・?



結局はお願いどころか

恩返しにすり替えられてるし…


あたしが頭下げらされてるしっ!



ったく この男は…




契約書でも作るべき?




ワガママで鬼畜の鬼めっ!



「ブツブツと何独り言ってる?」



小声ながら

ボヤキが口から吐き出ていた。




「わ・・・解りました

お母様と会うだけですね…」





結局わたしは簡単に

一之瀬さんの

思うツボにはまったようだ。






惨敗した気分で顔を上げると、

そこには

勝ち誇ったような一之瀬さんが


満悦なる笑みを浮かべている。



黙ってたらカッコいいだけの男めっ




さっきのドンヨリは演技だったんじゃないの?!!




「よし、よし 頑張れよ


今日の仕事終わったらロビーで待ってろ

早速 打ち合わせするからな」


子どもに語るような口調にくわえ頭をクシャクシャされて益々敗北感が増す。




「・・・・解りました」



くるっと椅子をデスクに向けなり


「佐々木 

海外事業部の報告書は?

上がってないだろ 何してるっ


上田!

開発部にこれ提出しろ 


直ぐにだ さっさとしろっ!」



いつもと変わらない一之瀬さんがそこにいた。
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