片腕のピアニスト















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「っぎゃっははははは!!!!

お前、マヂサイコーッ!!!!!!」


「だろぉー?


万引きなんて軽いもんよっ!!!」




「やっぱ莉緒は万引きのプロだなっ!」


どうだ。どうだよ。
俺はピアノが無くても生きてるんだ。


街中でバイク乗り回しながら、万引きだって軽々やってのけてるんだ。
俺は、何でもできるんだ。



「こらアァァァ!!!待ちなさいそこのバイクっ!!!


止まりなさいっ!!!!!」




は!??

「ぅげ!!!サツか!!?

お前万引きのプロなんじゃなかったのかよっ!!!!」



「知らねぇよ!俺だって、こんななるとは「とまりなさああぁぁぁい!!!」



やばいやばいやばいやばいやばい。



「兎に角逃げるぞっ!!!俺はこっち行くからお前そっちいけ!!!」



「わかった!!!」



やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。



これはやばい。



俺はアイツとわかれてそのまま真っ直ぐ進む。


夜なので人気のない道路を、目にも留まらぬ速さで逃げる。



夜といってもまだ7時ごろなので、冴えない頭で、人がいないか雑にチェックしながら通り過ぎる。


逃げろ逃げろ、兎に角逃げろ。




遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。

おそらく向こうに曲がって行ったんだろう。



だがまだ気は抜けない。

どこからか曲がってきてしまうかもしれない。



後ろを振り返って狭くなった視界の端に人影が見えた。


瞬時に前をむく。




「おい!お前どけ!!!どけええええぇぇえぇっ!!!!!!」



相手の背は低い。



ぶつかる前にそれだけはわかった。




視界が回る。


痛い痛い痛い痛い。



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