片腕のピアニスト


左腕がちぎれそうだ。



すぐに左腕があるか確認したいけどなぜか頭が動かない。





ああ、痛い痛い。



目が、あか、な、、、い……………。
































**************





あれから、数日経った。


目が覚めて病院にいる事を知った俺は、直ぐに看護婦さんにこう言ったらしい。






『……。………………





……………………俺は、何をしたんですか』





俺の部屋は個室らしく、その後長く続いた沈黙が痛かった。






それから、俺の主治医らしい、ちょっと胡散臭い白衣の似合うおっさんが入ってきて、全て説明された。






「君は、あの日交通事故を起こしたんだ。」




「……ああ、そうだろうな。

どうりで……





……………左手が動かない訳だ。」




白い奴らが息を詰まらせる。




今、座った状態で俺の左手はだらしなくだれている。


起きて気づいた。




指が……左手の指がうごかない。




罰だとおもった。


両親のいう事を聞かず、バイクを乗り回し、万引きをして、……


…挙げ句の果てに交通事故だァ?




どんだけ親不孝だよ。俺は。


こんな左手ぽっちで済むほどのことじゃなかったろ。

今まで俺がしてきたことは。



命をかけて返すぐらいで丁度よかったろ。




どうにもならない。


この左手は、







今さっき、俺が動かないことに気づいた瞬間からオモチャになった。








「……………怪我、……すか…」




「え、?ん?何かな??」



「怪我したの。……俺だけっすか。」





この言葉に、白衣はまたもや息を詰まらせた。



最後に見た人影。



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