生徒会長が私を好きな理由
「綺麗…こんなに近くで花火見たの初めて…」

「白学のパーティーもたまにはいいかもな」


悠生は私に近づくと肩に手を回して引き寄せた。2人で真近に花火を見られるなんて…悠生の言うようにパーティーもたまには悪くないかもね。





「…うちのクラスと生徒会のメンバーで打ち上げやってるからおいでだって」


しばらく花火を眺めた後スマホを見ると、泉からLINEが来ていて私はすぐに悠生に聞いてみる。





「いいけど…この格好で行くのはちょっとな」

「…だよね。私……ドレスに着替えた時にメイドさんが制服をクリーニングに出してくれるって言われてさ」


要するに今着替えの制服がないんですよね…




「…俺もだ。着替えるなら学校のジャージしかない」

「私も…」


悠生の使用人に預けたカバンの中に学校のジャージは入ってる…


私と悠生は顔を見合わせると思わずぷっと吹き出して、2人でクスクスと笑った。こんなに素敵なドレスやタキシードを着てるのに、着替えがジャージしかない事に笑えてきたのだ。





「仕方ないからジャージで行くか」

「そうだね」


私と悠生は手を繋いで白学を後にして、つくば高校の皆が待つカラオケへ向かった。



今日という日を私は一生忘れない…

悠生と結ばれた特別な夜だから…
< 95 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop