繋いでくれた歌【完結】
「僕、好きなんですよ。サビの君と私で半分コ。悲しみも、憎しみも。ってとこ」
「……」
「それって、恋人と支え合って生きていこうよって意味で素敵だなって」
「そうっすかね」
私は俯くとギターの淵を撫でながら、ぼそっと呟く。
「私は悲しみや憎しみなんて欲しくないですよ。
付き合ってく上で欠かせないモノだとしても」
「……」
「後に続く歌詞の笑顔で生きていこうね、に続く言葉なのだからしょうがないけど。
私は相手の持って来る悲しみや憎しみよりも、それを忘れさせるような言葉をあげたい」
「……だから、あんな歌い方になっていたの?」
「……」
それには答えなかった。
彼は肯定と取ったらしい。
私の視界に入るのは、見覚えのある履き潰したスニーカーだった。
「凄いな。そこまで考えて歌ってるんだ」
いつの間にか、彼の言葉から敬語が外れている事に気付く。
自然と私の眉間に皺が刻まれていた。
「あのさ」
「……」
シカトしてるにも関わらず、彼は続ける。