白い花が咲いたなら
帰り道、ふしぎ

 生徒玄関を出て正門を通り、学校から離れるまで、あたしは緊張で顔がシャチホコ張っていた。


 誰に見られているわけでもないのに、すっごい人目が気になっちゃう。


 べつに、これは何でもないんだもん。


 クラスメイトと一緒に下校してるだけだもん。


 ヘンな風に誤解しないでね!


 って空気を撒き散らしながら、ギクシャクした動きで歩き続けた。


 そのうちに生徒の姿がまばらになって、あんまり人目が気にならなくなってくる。


 そこであたしはやっと安心して、背中を丸めながら大きく息を吐いた。


 き、緊張して肩が凝ったあぁ~。


「もしかして、俺のこと意識してくれてんの?」


 からかうような声を聞いて、反射的にあたしの背筋はまたシャキーンと伸びる。

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