好きっていうまでは

そういえば、お互い譲り合ってしまうのは、昔から。

電車で一緒にでかけた時も、空いてる席は一つだけで、

どちらが座るか、譲ってる間にご老人が座っていた。

なんてこともあった。

結局は、いつも私に押し負けて陽輝が先に言い出す。

「はぁ…祭りだよ。一緒に行かねーか?」

「え?」

まさか、そんな…えと。

予想外の展開になってしまった。


「もしかして、他に誰かいくヤツとかいる?」

「あ、ううん。あのー、奈央も一緒なんだよね!

それでもいいかな?」

「は!?あいつも、一緒なの?」

「うん。だめ?」


「んー…ま、いっか。」

なにか、あるのかな。

まぁ…とにかく、ラッキーってことで。
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