regret
車窓には繁華街の景色が流れていく。
色とりどりの電飾や人が行き交う歩道。
幸せそうに笑うすべてが憎らしく見えてくる。
「なんか食いたいものあるか?」
シートの背にもたれ掛かる僕を、バックミラー越しに確認しながら聞いてくる。
「……別に」
ぶっきらぼうにそう返せば透かさず「お前は何処ぞの女優か」と突っ込みを入れてきた。
「僕は女じゃない」
ムスッとして答える。
「知ってるわ! 適当に買ってくるからな」
そう言って車を降りて、コニビニへ行ってしまう。