もしも勇気が出たら君を抱きしめたい


「先生」

「なに?」

「髪の毛ぐしゃぐしゃ」

「え、あ、ごめん」


僕は慌てて手をひっこめる。

「うそ、元気でた。コンクールがんばろね」


そういうとニコッと笑って、伊東は手をふって、帰って行った。

結局僕は何も言えなかった。



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