さよならリミットブルー
近くにいた見知らぬ人たちの悲鳴が聞こえた。
たぶん「逃げろ」とか「危ない」とか言っていたんだと思う。
この時の俺は周りの人が放つ言葉の内容さえも気にならないくらい、ただ必死だった。
瑠璃を守らないと。
そのことしか頭になかった。
俺のこのピアスは瑠璃を守るために付けたんだ。
大切な人を守れるなら、自分はどうなったっていい。
「碧、人っ………どうしよう、体が動かなっ………」
だめだ。
間に合わ無い。
腕を引く力さえ無い俺に残された選択は、
「瑠璃…………!」
持てる力の全てを使って、瑠璃の体を突き飛ばすことしかできなかった。