『大好き』と言えたらどんなに幸せだろう。
チャイムが鳴るとともに優しそうなおじいちゃん先生が入って来た。


初めてのホームルームが始まる。




「おはようございます。担任の岩崎です。」


最初は楽しみにしていた先生なんかにもう興味はなかった。


隣が気になって仕方がない。

足が微かに震えていた。






「では、早速。クラスをまとめてもらう学級委員を二人決めましょう。」




掌には大量の汗。
躍動する心臓。




「一人は、学年トップ入学の神崎潤くんでいいかな。」



クラス中が拍手をする。

私の手は動かない。




「もう一人はー…。9時か…。じゃあ、出席番号9番の片岡雫さん。よろしくお願いします。」



突然呼ばれた名前に驚いた。



「はっはい??」



先生はポーカーフェイスで答える。




「学級委員ですよ。」


「え!?」





学級委員なんてやったことないよ…。



人前に出ることなんて無理なのに…。
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